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クロスロード;交差点

1:従業員N :

2012/06/20 (Wed) 20:50:06

「今日で研修は終わり。明日配属先へ行くよ。」
仕事の研修の為ここ諏訪に3カ月間の住み込み。車が無いため徒歩で通える数少ない娯楽施設の当店に頻繁に来てくれたお客様。今日が最後の遊びにと来店し話し始めてくれた。
本日水曜日は午後6時より開店、8時で閉店と僅か2時間だけの営業時間。研修が終わり引っ越し等で多忙な中、この時間を見計らって来てくれたんだろうなぁ。

私にとって、お互いを名前で呼び合う稀なお客様。この3カ月間、彼に時間がある時は二人でソファーに寛ぎ、だらだらと時間を過ごす。気の置けないやりとり。
今日もいつもと同じような話とのんびりとした空気。心地よい。

最後に聞いた。「次来れるのはいつになる?」
「まあ、また来るよ。」彼は軽く頷いた。

彼は立ち上がり、「行かなくちゃ、またね。」
「うん、また。」
台風が過ぎ去った後の透明な空を夕暮れが包みはじめ、有線からはジョシュ・グローバンの「You Raise Me Up.」が流れる。

一期一会という言葉があるけれど、そんな堅苦しいイメージは好きではない。
お互いが進むべき道を全力で駆け抜けている人生において、多くの場合、出逢いはただの偶然として流れ去ってしまう。交差点ですれ違うだけの人も沢山いる。そう、この場所もまた一つの交差点、クロスロードといえる。
それでもきっと私達はいつ、どこで、どんな状態で逢うことができても、今日のようにいつもと変わらない話をして、その二人だけの空気を作り出すことが出来るだろう。

「やあ、N。さっき山の方で鹿をみたよ、普通にいるんだなぁ、鹿が。やっぱし違うな諏訪は。」
きっと、10年後に逢っても彼はこんな切り口で話を始める。

楽しみにしているよ。再び交差する道を遠く眺めながら。
2:元茅野市市民 :

2012/06/21 (Thu) 01:05:48

ミスチルの歌を思い出しました
3:従業員N :

2012/06/21 (Thu) 13:45:13

ミスチルの歌を聴いていると、言葉と言う物にもっと真剣に向き合わなければならないと痛感させられます。
ミスチルのようにいつまでも思いだされる言葉を私もいつか書きたいと思い願っています。
コメント、ありがとうございます。

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